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2013.03.17

赤ネコの映画感想日記『ムーンライズ・キングダム』

『ムーンライズキングダム』ウェス・アンダーソン監督作品

おすすめ度:素晴らしいです。観ましょう。





アメリカ映画の定型の一つとも言える、男女の逃避行の物語を脱臼して脱臼して作られた映画。

脱臼して脱臼してはいるのものの、とゆーか、だからこそむしろ、なのかもしれないが(外して外して残る芯)、逃避行の物語のエッセンスが凝縮されている。その凝縮っぷりは、あらすじが伝える印象に反して、活劇と言ってしまっていいレベルである。

少年と少女のピュアな(ちょっと危ない類の、ピュアな)恋愛関係や、ボーイスカウトからの脱走兵としてされる追跡に、その活劇映画の面白味を感じた(そんじょそこらの「大人映画」なんて瞬時に色あせてしまう、少年と少女の出会いのドキドキ感!)。

(この、活劇って言葉は、色んな偉い人が使ってるのと同じ意味合いで使ってないと思うってか、かなり個人的な漠然とした雰囲気で使ってる言葉なんだけど、映画としての運動神経がいいこと、あとは、映画としての凄みとかオーラを感じるとか 笑 あとある種のストイックさのある映画には勝手に使ってる言葉なんだけど、まあそんな雰囲気)

こと、その活劇性は、中盤頭にくる事件が醸す濃厚な死の匂いのお陰で切実感を増す。優れた、大人映画と同様に、追跡はマジであり愛も本気である事がその事件によってぐ、っと立体的になる。死の暗さがあってこそ、生の明るさが際立つ、とでも言ってみようか。

その辺を踏まえて、このかわいいルックをした、一見ファンタジー映画のように見えるこの映画は、活劇であると言ってしまっていいのではないかと思う。そう言った意味でも、外して外しても、正しく面白いアメリカ映画なのだと思う。

まるで塩田明彦の「害虫」のような、まるでゴダールの「気狂いピエロ」のような映画だなーと思いながらみていた(そしてなぜか、オルドリッチの映画がみたくなった)。

その辺りの映画を思い浮かべるって事は、むしろ、逆輸入されたアメリカ映画と言った方が的確かもしれない。

それから、大人との関係性に注目したい。
敵仲間の横軸の関係性だったものが、信頼と愛情の元に、大人と子供、親子の縦軸の関係に収束すると共にか物語に決着がつくのだが、すごく心を揺さぶられた。

醒めた目をした少年が、全く子供のように振舞わないのがいい。そのまま言い換えて、まるで大人がするような仕草眼差しをしている。
ストーリー展開としてはベタではあるが、その少年が、最後には、普通の子供に注がれるべき大人の愛情を、ストンと享受し、子供のようにみえる(ガキのようにみえるではない)あたりが、とても感動的でした。

3回泣きました。

mu-nn.jpg


と色々書いて、最後にふと思いついた事。隠蔽されてない所がいい。具体であげると、冒頭の少女のパンチラなんだけど、そこから伺える監督の精神性ってか、世界観てか。ドヤ感も、ゲヘヘ感も、オモロイでしょ感も違う。真顔で、や、パンチラとか見えるでしょ、普通に、とすら言わないでパンチラさせてくる、あれ?いま見えた?あー見えたよなーって感じで仕掛けてくる作り手はやっぱ信頼できると思うんだよ。それは繰り返すが、隠蔽しないから。臭いものに蓋をしないから。そう云う人は信頼出来るんだよ。宮崎駿とか宮崎駿とか宮崎駿とか。

images.jpg


1965年が舞台の、もう一つの気狂いピエロ。
男と女の逃避行。島での一時のバカンス。読書する女。左利きのハサミ。
あの時、全く別の場所で、もう一組の男女の冒険活劇があったと思うと胸にグッと来るのは映画マニアだからだろうね。


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Posted at 04:30 | 未分類 | COM(2) | TB(0) |
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