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2012.10.03

赤ネコの映画感想文『桐島、部活やめるってよ』編

『桐島、部活やめるってよ』吉田大八監督作品



おすすめ度:老若男女必見の青春映画

ヒリヒリする映画だった。誰かしら、もしくは複数、あるいはすべての登場人物に感情移入可能な、優れた青春映画だと思う。口コミに偽りなしだね。

めちゃめちゃ良かったんだが、泣けたって感想をよく聞くのに俺は泣けなかったんです。
その辺りの理由をツラツラと書いていこうと想います。
良かったが故に、ほとんど唯一気に入らなかった点なんだけど。

霧島に踊らされている(言葉が正しいか分からんが)連中と、神木くんら映画部が対峙した時に起こるアクションがちょっと弱かった。いや、アクション自体は強いんだけど、それに対して神木くんがどう云う意思を持ったのかがもうちょっと解るようにして欲しかった。勿論あの飛躍がグッとくる人も沢山いると思うんだけれど。

人間関係も含め、ある程度器用になんでもできることで得られるステータス『のみ』で出来上がった(ステータスを得るための「信念」の欠如した、それが故に小奇麗に見える)スクールカーストの上位組が、同じスクールカーストの最上位だと思っていた桐島が何かしら不気味な信念を持って姿を消す(=それを降りる)事によって、右往左往し、小奇麗さの下に隠されていた不恰好な「想い」のようなものを剥き出しにしていく。

そしてその「想い」の募りがラストの屋上のシーンで頂点に達するわけなのだけれど、熱い演技で(揶揄ではない)情感たっぷりに描かれるこのシーン、一歩引いてみると茶番なのだ。
(茶番でない人間も混じっているが、群れとしてみると茶番でしかない)

そんな上位組とコントラストで描かれる、不器用でこ汚いが、信念のようなものを芽生えさせていく下位組(この映画で唯一教師に反抗するのはこいつら)である神木くんたち映画部は、この茶番をどう観ているがが知りたかった。

信念の象徴である撮影現場に、何の信念も持たない熱い「想い」をむき出しにした上位組が土足で立ち入った事(しかしそれも「青春」なのだけど。これも揶揄ではなく)に、つまり上位組の「かっこつけ」の茶番に対する彼らの回答が欲しかったのです。

もっともっと言うと、ってか書いててこんがらがってきたから更に細くすると、

信念を持って「茶番」を演じている(=ゾンビ映画を作っている)下位組に対し、ベタに茶番を演じてしまっている(=空っぽな「青春」と云う現象に振り回されている)上位組が上から「茶番」に構っている暇はないとコケにすることに対する、一連の茶番を見続けてきた神木くんの回答。


ん~~。

いや、

回答は出してるんだな。
やっぱり、個人的にピンと来なかったって事なのかもしれないです。

反面、上位組の一部から出された回答は、かなりグッと来た。
だからこそ、あそこが、、と「個人的に」思ってしまう。飛躍はいらなかったのではないか。
下衆の勘ぐりだが、ファーストカットがまるで『マグノリア』や『ブギーナイツ』の頃のポール・トーマス・アンダーソンの様に始まるこの群像劇は、それこそ『マグノリア』の蛙の奇跡の召喚を夢見て失敗してしまったように感じた。

と、まぁ、悪い部分だけど延々と書いてしまったけれど、本当にいい青春映画です。
器用貧乏が「信念」のような物を持ってしまったが為に両足泥沼にハマりこんでるりょーちゃんには両面解る分特に刺さる映画だったよ。
ってゆー、両面解るよ!感をおそらく観客の多くから引き出しているであろうその巧さは、吉田大八監督作品ちゃんとみなきゃならないなーと思わせるものでした。

それにしても、映画を、物語や主題以外で語ることのなんと難しいことか。
ってゆーか無理ですね。ホントはそれ以外で書くことがかなりかっこいい事だと思っているんだけど、
書けないってことは、あんま見てないんだろうね。

話はそれましたが、口コミ通りの素晴らしい映画です。
役者陣も色んないい顔揃い。神木くんがイケメンに全くみえない見事なぼんくら演技で、すげーって感じだし、
未見の人は必見だよ。


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この記事へのコメント:
まぜまぜやらABCやらおかげ様でかまぼこライブなどにお邪魔しております。
一度もお声がけしたことがないので失礼かな〜と思ったのですが、映画に対する感想がすごく興味深くて、タイムリーに自分の見た桐島だったので勢い余ることにします。

澤さんが思った神木君達の『回答』はどんなものだったんですか?
私は信念を持って行動している神木君達だけど、やっぱり上位組の存在は彼らの憧れとして位置していて、だから最後のあの茶番は、彼らと対等の(もしくは喰っちゃってるからそれ以上の?)場所にいることを示す、口では決して表現できない神木君達の精一杯の手段だったし、唯一共存できる場所だったのかな、と。

ソーシャル・ネットワークのラストで、世界を変えるほどの偉業を成し遂げたマークが、結局は一人の恋する男の子で、人並みの幸せを願う少年なんだと実感させられるシーンと、少し似たものを感じました。(やってる事は大分違いますが。)

長々とすみません!また映画の感想楽しみにしてます!
Posted by No.11 at 2012.10.09 00:26 | 編集
No.11さん

ABCライブやかまぼこライブにまで来ていただき、ホントにありがとうございます!
それからコメントもありがとうございます!!

えーっと映画の感想にリアクションをいただけると思っておらず結構書き飛ばしていたので、ありがたいと同時に焦っております。

それでもう一度頭で整理していたら、お返事が遅くなってしまいました。
そして、No.11さんの非常に的確な読みに対するお返事がなかなか難しく、、

えーっと、僕が思った神木くんの回答ってゆーのは、映画上の神木くんの回答でしょうか?
それとも、俺ならこうなって欲しいって理想の回答でしょうか?

映画上での神木くんの回答は、
No.11さんがおっしゃっているように、信念を踏みにじられた側の、なんでだよ!かわんねーだろ!って抵抗なんだと想います。
信念のない茶番を、信念のある茶番で飲み込んでやる。ってゆー、まぁ文字通りの事が起こるわけですが。
アクション自体が飛躍しているかなぁと思っていたのですが、No.11さんのコメント読んでから色々考えるとやはり作劇上あれしか考えられない、とてもベターな「回答」だと想います。

で、僕にとって理想的な回答は、

映画表現としては、割りとよろしくないとされているんですが、もっと言葉で説明しちゃってくれよと思ったんです。
「君たちのやっていることは、茶番であり、たった一人同級生の男の子がいなくなったことで、そんなに右往左往するさまは、無様である。そしてそんな君らが僕らのこの現場を足蹴にすることは決して許されない」
ってことを、愚直にセリフで言って欲しかった。

と、ここまで書いて気づいたんですが、
ちゃんとした対話が欲しかったのかもしれません。
全編を通して、カースト上位と下位が会話をするシーンはなかったはずで、
ただ、差異として描かれる2つのグループが最終段階でようやく対話のチャンスが生まれそうになってると思うのですが、それがなされないことへのもどかしさみたいなものがあったのかもしれません。

No.11さんがおっしゃっているように、「口では決して表現できない神木君達の精一杯の手段」があの撮影であったと思うのですが、しかしだからこそ、叫ぶ言葉が聞きたかったように思います。

勿論、言葉を越えた何かを炸裂させているシーンだと思うのですが、
少し「茶番」のまま空回りしてしまった、そんな印象を受けちゃったんです。
言葉によって率直に真相を突かれた上位組の動揺する顔が見たかったのかもしれません。

でも、その「茶番」がしっかり上位組の一人には届いていたって所がすごく感動的なので、なんとも言えない部分なのですが 苦笑

そんなこんな、長文かつ散漫な感じになってしまいました。。

リアクションいただけるのすごくありがたいので、今後共当ブログ、赤ネコ共々ご贔屓にお願いします!
あ、あと、どこかライブで見つけたらこえかけてくださーい!!

Posted by 赤ネコ at 2012.10.11 01:06 | 編集
はーい!!と、すぐに返信すれば良かったです。ライブでお会いできた時でいいかなあ、と思ってしまいました、すみません。。

丁寧に説明して頂いて大変嬉しいです!
映画の中での神木君の回答、澤さんの理想の回答、両方聞けてラッキーでした。
映画は基本一人で観て、友達ともあれ良かったね〜ぐらいしか言い合わないので、自分が感じた部分を他の人はどう感じているのか、深く知る事ができてとても貴重です。

これからも自分が観た映画だったり、観れそうなものだったら(あんまり肌色の割合が多いと無理かも。)観てからコメントさせて頂けたらと思っています!
よろしくお願いします!
Posted by No.11 at 2012.10.14 23:23 | 編集
昨日はありがとうございました!
花形さんからお裾分けで頂いたお菓子も美味しかったです。

映画の感想、ポツポツ書いていくと思うので、ぜひぜひよろしくお願いします。
ってか、そんなに肌色の成分が多いもの、お勧めしてましたっけ。。

お時間あったら、いつか赤ネコの事務所ライブも応援にきてくださーい!笑


Posted by 赤ネコ at 2012.10.15 17:23 | 編集
はい!是非に!仕事早く終われる時だったらお伺いしますね。
ゴールドの綱渡りしちゃいたいですね。笑
頑張ってください〜
Posted by No.11 at 2012.10.15 23:33 | 編集
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